坂本繁二郎と熊谷守一

日本には個性豊かな本物の作家が、日本画・　洋画を問わずたくさん存在します。中でも洋画では、明治から大正・　昭和と活躍した「坂本繁二郎」と「熊谷守一」が好きです。両者とも高い精神性を絵に表した孤高の人と言えます。

坂本繁二郎は、九州は福岡の久留米にアトリエを建て、阿曾山や馬の絵は有名です。晩年は月や雲など紫色を基調にして幽玄の世界を表現しました。

　私が虹色をテーマにして絵を描くようになったのは、この坂本繁二郎の絵の色調から影響されました。淡い虹色の色調にも係わらず、その中に確かな存在を感じます。

熊谷守一は、豊島区の自宅の庭の生き物をモチーフにして絵を描き、単純な形や線、色の中に温かさと素朴な味わいが観る人をホットさせます。守一は、その庭のある自宅を三十年間出ずに絵を描いたと言われています。文化勲章を辞退したことは有名ですが、地位や名誉にまったく興味ない姿に感動しました。

私も守一のようにひとりの人として周りの雑音にとらわれず、悠々自適に楽しく神の美を探求し表現してゆきたいと思います。

　世界人類が平和でありますように