自然素材

虹色

4次元へ突き抜ける絵画理論
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  これまで木や竹などの自然素材から自然造形美を探求し、独自の造形作品をつくってきました。その中から平面作品における「絵画理論」をまとめました。

 これは一般的な絵画理論を超え、今まで誰も言わなかった「4次元へ突き抜ける絵画理論」として、皆様の制作に生かしていただきたく、ここにその要旨を発表します。

1、絵は心         (自然に学ぶ)

2、描かずに描くシミ理論   (マチエールの対 比は時空間へ誘いエネルギーを生む) 

3、X理論          (黄金比を超える4次元へ突き抜ける空間理論)

4、ゆらぎ理論       (非対称による1・3・5・7の白と黒のリズムとバランス)

5、一本の線は宇宙を表す  (1は2を生み無限に広がる)

6、色彩の調和理論      (3原色から広がる無限色理論、色の対比と流れる調和)

7、筆先にいのちを宿す   (迷いなき線はいのちを宿す)


1、絵は心      
 いくら巧緻な絵画理論があっても、絵に心が通っていなければ、その理論は無に等しい。美しいものを美しいと感じ、素直に自然に感動し、その生命力を表現することが芸術の本筋です。それは人間が自然から生まれた自然の生き物であるからです。肉体という小さな自我の想いで絵を描くのではなく、自分を捨てきり自分という枠を超えて自然と一体になって絵を描くことです。

 それは自然に親しみ自然と共に生きてゆくところから生まれます。いつも自然から謙虚に学び、その美しさのエキスを表すことです。


2、描かずに描くシミ理論
 水墨画の何も描かない余白は、空(そら)ではなく、無限の空間を暗示し、3次元を超えてさらに高い4次元以上の世界につながっています。それは、自然が織りなす造形美と一致しています。木目も竹や壁のシミも形を描くことなく自然の風景を創出します。いくら見えた物を一生懸命描いても3次元を超えることはありません。一方シミでつくる絵画は水墨画の余白と同じように3次元の形の世界を超えていきます。


 名画と呼ばれている作品はみなシミで絵をつくっています。ちなみにあのモナリザは3次元の絵画のように見えますが、実は背景は水墨画と同じ表現になっています。ルノワールの作品はその最たるものです。ゴッホの自画像の揺らぐ背景はまさにシミそのものです。モネの風景画に至っては言わずもがです!!!

 また、にじみの効果を最大限に引き出すために、ザラザラしたマチエール(絵肌)をつくることが有効です。私は直感的にそのことを覚り、にじみの可能性を追求し今の作品はに至りました。絵画は見えた物を描くだけはダメなのです!見えた物にとらわれないで、その見えた物が何故美しいのかを探り出し、そのエキスだけを抽出して表現することが絵画なのです。それは具象画・抽象画を問いません。

 芸術は「強調」(デホルメーション)であると言われる所以で、その表現理論がない絵画は無に等しいと言っても過言ではありません。


3、X理論
 もう一つ、名画の構図を探求すると黄金比(1:1.618)による構成はもちろんですが、Xの空間構成をつくり見る人の視線を円状に導いています。これは大切なことでX構成は「突き抜けるような空間を創出し3次元を超え4次元へつながっていきます」これまで、このことを言った人を聞いたことがありません。そこでこれを「4次元へ突き抜けるX理論」と名付けました。


 具体的な方法は文章では伝え難く興味がある人には直接伝えたいと思います。私は理論家ではなく作家ですので作品がすべてだと思っています。できた作品でご判断いただければと思います。

 その「X理論」を意識した記念すべき第一作が下の作品です。その空間は現実の3次元を突き抜け神の世界へつながっています。

「幽玄山水」
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 これは理論ができる前つくったものですがX理論に合致しています。実は不思議にも上下逆に見ると、平原に流れる川は山に落ちる滝になり雲と水が反転します。

「朝もや」
35132


4、ゆらぎ理論
 私が3年間自然造形に触れて勉強したことは、左右対称の自然造形物はこの世には存在しないということです。それは同じように見える葉っぱも皆個性があり一つとして同じ物がないのと通じるものがあります。それを考えると遺伝子組み換えで同じ物をつくることは宇宙の法則に反していることで人間の都合でやってはいけないことだと断言できます。

 絵画においては、たとえば左右対称に白と黒を1:1で配置することはやってはいけない構図ということになります。黒が1白が3その中間色である灰色が5〜7という構成が一番安定した美しい構成になります。偶数ではなく奇数の構成を意識することが大切で、それは俳句が5・7・5のリズムでできているのと同じことです。

 宇宙は陰と陽のエネルギーに分かれ、そのエネルギー差によって万物を創生しています。それは善・悪と呼ばれるものも、その陰陽のエネルギー差による万物創生と同じものであると言えます。ですからこの宇宙が神のみ心を成し遂げるには陰陽のエネルギー差による「ゆらぎ」が存在するということです。

 それは絵画においても、同じ質量のものを画面に並べたのではエネルギーは生まれず、左右対称を崩す「ゆらぎ」をつくることによりダイナミックな動きが生まれるということです。それは1・3・5・7のリズムをつくりバランスををとることです。、名画と呼ばれるものを分析すると結論は明らかです。


5、一本の線は宇宙を表す
 そして次に自然造形物から学んだことは、同じ筆圧の1本の線は存在しないということです。その線の強弱や出入りにより無限の空間を暗示できるということです。実際には私の作品の線を見ていただければわかると思います。下の「ONE」という作品は、それだけを意識して一本の線を滝に例えてつくった作品です。

「ONE(一)」 
3423


6、色彩の調和理論
 配色の効果については、これまで多くの方が唱えていることでそれに異議はありませんので割愛します。ただし画面を調和させる方法は3つあります。

 ●一つは古典の技法で用いられている薄く溶いた1色を全体に塗り画面に統一感をもたせることです。

 ●もう一つは、相反する2色を重色されて「流れるような色の調和」をつくることができます。このことを知る人は少なく、この技法を会得できれば統一感がある気品のある絵ができます。

 ●そして最後に、2色を発展させ「3色で流れるような調和」をつくることです。私が尊敬するルノワールの晩年の作品は赤と青と黄の3原色しか使っていません。しかしその3色の微妙な混色や薄く重ねる重色により調和を図り無限色となり宇宙にまで拡散しています。ルノワールの作品制作の途中を見た人は、形はなく画面一杯に虹色が広がっていたと言います。まさにそのことです。

 この「流れるような調和」を会得できた人はプロの称号が与えられます!

7、筆先にいのちを宿す
 最後に絵に生命を宿すには筆の勢いが大切です。息を凝らした繊細な線も必要ですが「迷いなき勢いのある線」は絵に生命力を与えます。理論に片寄るとそのことを忘れてしまいます。何事も一つのことにとらわれないで自由な心でのびのびと楽しく描くことを忘れないようにしたいものです。。



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